今日が私の家の宗派のお墓詣りの日。
いつもなら人っ子一人いない墓地も、今日は大変な賑わいだった。
家には昔から守りをしている地蔵堂がある。
木がうっそうと茂って、昼間でも日が差さない場所にひっそりあるのだ。
お盆くらいは、蜘蛛の巣を払って、お水とお花をお供えする。薄情な守りなのだが、でも、ちゃんと帽子や涎掛けをあつらえてくれる人がいて、いつも可愛らしい装いなのだ。
中に一体、昔子供のころ、弟が悪戯してばちを当てられたといういわくつきのお地蔵様がいる。事実はどうなのか定かではないが、確かに頭に大怪我をしたことがあって、その前に悪戯したらしい。首に繋いだ後がある。お盆はこの世とあの世が近づくとき。不思議な話もこの時期に思い出す。