1年半前に、突然バレエをやめたレッスンメイトが気になっていたのに、連絡できずにいた。
今年の発表会を見にきてくれたら嬉しいな〜と思い、意を決して連絡した。
なぜ連絡を躊躇していたかというと、あんなに熱心に楽しそうにレッスンに励んでいたのに、あまりに突然止めてしまったので、決定的な何かがあったのだと思ったからだった。
その決定的な何かが不吉で、自分の予想が的中してしまったら、どうしていいのかわからず連絡できなかったのだ。
携帯に電話をすると、留守電になっていて、後で掛けようと思ってたらすぐに掛かってきた。
とても懐かし声。嬉しかった。
でも、私の予感は的中したばかりか、もっと過酷なものだった。
あの時、余命1年あるかないかと告げられたというのだ。
それでも治療を受けながら、今もこうやって生きていられるのはありがたいことだと彼女は言った。
あのときは、自分が死んで行くことばかりしか考えられなかったけど、最近やっと現実を受け入れられるようになったと。彼女も私には、このことをどうやって伝えていいかわからず、連絡できなかったというのだ。
涙がこぼれそうになったけど、泣くのは日々頑張っている彼女に失礼で、不吉な気がした。
嬉しかったよ、元気が貰えたよと言ってもらえて、こっちこそ貴重な何かを貰えたよ。
発表会に来てもらって、「上達しないね〜」って笑ってもらえたらいいな。